(本資料は,米国で発表したプレスリリースを日本語に翻訳し,再編集したものです.)
世界最大の科学情報データベースを保有するCAS(Chemical Abstracts Service/ケミカル・アブストラクツ・サービス)は化学分野における中国特許の発行件数が世界一になった事を発表しました.中国は10年以上,日本の特許庁,世界知的所有権機関(WIPO),米国特許商標局(USPTO)に遅れを取っていましたが,2005年にUSPTOを,2006年にはWIPOを,そして2008年には初めて日本の特許庁を月間ベースで抜きました.そして,今年,年間ベースで化学特許の発行件数が世界一になることがわかりました.CASでは、この傾向は今後も続くと予測しています.
「化学は『科学の中心』として位置付けられており,化学特許は,薬品および自然製品を含む様々な産業プロセスおよび科学分野で重要な要素です.」と CASの編集部門の最高責任者であるマシュー・トゥーサン博士は述べています.「事実,新規特許出願のおよそ35 パーセントは,化学物質に関わっています.」
「この 10 年間,CAS の特許文献の収録数は驚異的な伸びを記録しており,USPTO および WIPO による化学関連特許発行件数は,500 パーセント以上の伸びを見せています.」と CAS のマーケティング部門の最高責任者であるクリスティン・マッキューは述べています.「その一方で,中国の特許件数は1,400 パーセント近くの伸びを見せており,その大部分が医薬品の分野に集中しています.この期間の中国の特許出願の半分以上は,中国国内から出願されており,中国の科学者たちが,研究による発見を知財化することの重要性を認識し始めたことを表しています.」
最新の技術の下,何百人ものCAS の科学者たちは,通常の検索エンジンでは見つけられない特許中に埋もれた化学情報を特定し、収録しています.CASにより開発された専用の編集システムが,世界60の特許機関からの特許を処理し,データベース化することを可能にしています.世界の主要な 9 つの特許機関から発行された特許文献は,発行から2日以内にCAS のデータベースに収録され,27 日以内に完全に索引化されます.CASの科学者は,取得したデータに,国際的な情報源から化学物質名,独自のCAS 登録番号,論文,物性データ,市販の有無,合成法の詳細,スペクトルおよび規制情報などを入力し,CASのデータベースに付加価値を追加しています.
【CASについて】
American Chemical Society の情報部門であるCASは,世界で最も包括的な科学関連情報を提供しています.科学者のグローバルチームにより編纂されるCAS REGISTRYを含む CAS データベースは、物質情報として世界中で信頼されています.CASのデータベースは,これらのデータと高度な検索および分析技術を統合したSciFinder,STN,STN Express,STN AnaVistなどの製品を通してご利用いただけます.また,CASは検索をサポートするScience IPなどのサービスなども提供しています。詳しくは,CASのウェブサイト(
http://www.cas.org)をご覧ください.
【社団法人 化学情報協会(略称:JAICI)について】
化学情報協会(所在地:東京都文京区)は,ワールドワイドな化学技術情報の流通を図るため,1971年に設立され,米国をはじめ各国の情報機関などとの協力関係を築きながら,日本の研究者をサポートする情報センターとして,大学・企業などの情報取得・分析から研究・開発までを支援しています.特に,CASデータベースの普及については,科学者にとって必須かつベストな情報サービスであるとの認識のもと,設立以来,第一目標に据えて活動を行っています.詳しくは,化学情報協会のウェブサイト(
http://www.jaici.or.jp/)をご覧ください.
[関連リンクURL]
http://www.cas.org/