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【2010年01月28日】
電気自動車用モーター業界でのインテルを目指す!
EVベンチャー Mywayプラス株式会社 (カモメBZレポート )






カモメBZ編集部です。本日はパワーエレクトロニクスを専門とするベンチャー企業『Mywayプラス株式会社』の創業者である楊仲慶さんにお話を伺いました。同社は、1993年、横浜で創業され、現在は上海にも支社を置き中国市場にも展開しています。起業当時の日本は、まだベンチャー企業にとっての黎明期でベンチャービジネスが育ちにくいだけでなく、中国国籍であるという立場は、今よりもさらに不利な環境だったそう。そんな、楊さんの起業ストーリーは、中国で仕事をし、生活しをしている私たちの励みにもなります。


電気エネルギー変換技術に生きる

パワーエレクトロニクス分野と聞くと、一般の私たちには聞き慣れない分野ですが、日本語で言うと、電気エネルギー変換技術。モーターコントロール技術で、充電池から電気を取り出しモーターを制御するまでの電動化のすべてのノウハウのこと。この同社の専門技術が、太陽光発電、風力発電などにも応用され、昨年9月には、さらに新しい事業戦略として電気自動車用モーターの製造などをおこなうeモービル事業をたちあげたそう。

楊さんの第一声も
「我々は,今まで培ってきたパワーエレクトロニクスを活かし、
人類共通の課題である低炭素社会の実現の為,”車両の電動化”に貢献していきたいと考えています。
特に、電気自動車用モーターでのメーカーとして、業界ナンバーワンを目指しています。電気自動車にとってのモーターは、パソコンにとってのCPUとおなじです。我々は電気モーターにおけるインテルを目指しているのです。」
と話す。

同社の電気自動車モーター技術が有名となったのは、『MPPTコントローラー』という太陽光から安定的な電力を取り出す装置の開発がきっかけだったそう。その装置は、日本のソーラーカーレースで最高峰の1つ ”ワールド・ソーラーカー・ラリー”に出場する青山学院大学チームに無償で提供され、見事優勝を果たしたことで、太陽光発電分野でMywayの名前は知れ渡るようになった。



電気自動車市場はこれから大混戦時代

電気自動車市場は、既存の自動車メーカーや家電メーカー、また今まで部品供給者だったメーカー等様々な業界からの参入の動きがあり、独立系のEVベンチャーにとっては強敵ばかり。その業界を日本から中国に移して見てみると、まさにそこは未開拓市場であり広大な荒野が広がっているが、その分ベンチャー企業にもチャンスは大きい。

楊さんによると
「電気自動車は、パソコン業界に似ていて、モーター、インバータ、電池が主要要素の組み立て産業なので、これからの業界での競争は激しいでしょう。そこで、我々は得意分野に集中するという意味でも、電気モーター部分の提供者に特化することにしました。また、早期に実用化された分野での実績を積みたいので、まずはゴルフカートやフォークリフト、農業用などの特殊車両への提供を開始しました」

また、電気自動車業界も、他の業界と変わらず中国市場は注目の市場の1つのよう。
2008年9月には、中国のリチウムイオン電池・自動車メーカー中国BYDに、ウォーレンバフェットが約2億3千万ドルを投資し、10%の株主にという報道で、注目を浴びたほか、2011年にはGMや東風日産から電気自動車が投入されると報道されている。

参照資料
→中国BYD、バフェット氏も認めた電気自動車メーカーの本当の実力(nikkeinet)
  http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITbp000027052009
→中国電気自動車市場 争奪戦の時代へ?(人民網)
  http://j.peopledaily.com.cn/94476/6715713.html
→インフラ分野で巻き起こる 電気自動車社会をめぐる大バトル
 http://diamond.jp/series/inside/10_01_29_001/

e夫婦での起業

風貌は、社長というよりは、科学者のような雰囲気の楊さん。社長業の傍ら、西安交通大学で電気エネルギー分野での特別教授としても熱弁をふるっているそう。楊さんが日本に渡航するきっかけとなっのは、鄧小平の号令で開始された、国費留学生団の2回生として選び抜かれ、日本に留学したのがきっかけ。そして卒業後、日本の大手電機メーカーに3年勤務したのちに同社を起業することとなったそう。
新卒で外国人であった楊さんにとって、当時の日本の大企業では、思う存分に、技術や自分の意見を聞いてもらえる環境はなかったのがきっかけとなったようだ。

”我が道を切り開きたい、それも技術をもって” というのが社名の由来。
当時のお話をお聞きすると、この新しいスタートは、
お聞きしていると学生結婚した奥様(宮本ゆかりさん)の尽力がとても大きかったよう。
宮本さんは当時を振り返って、
「ベンチャーで起業するのも大変な時代に、外国人である主人は、銀行口座の開設もさせてもらえませんでした。
別にお金を借りに行ったのではなく、資本金1310万円を預けにいったのにですよ。
以前の上司から、”他人に迷惑になることは辞めなさい” とまでいわれたこともありました。
そこから、妻であり日本人でもある私は、一大奮起しました。
生まれたばかりの娘をだきながら、法務局に会社の設立をしにいったり、いままでパソコンも触ったことのない私にとって最初はわからないことばかりでした。」

そして、たくさんの紆余曲折がはじまったそうですが、その一方で、たくさんの方にお世話になり感謝しているそう。
特に、以前お世話になった大学教授に顧客第1号になってもらったり(それも最初はポケットマネーで!)、増資を計画していたときに、ご近所の主婦友達から出資を受けたり(それもなんと700万円も!)、引っ越し先のオフィスを探していた時にお2人の熱意に動かされた地主さんが、ビルを建てくれたりと・・・夫婦での起業物語を書いた著書『ブッ跳び主婦、会社を興す―中国人の夫と起業の夢を叶える奮戦記』には多数のエピソードが。
これも、ご夫婦の賢明さが、人を引きつける強力な魅力となっていたのでしょう。

そして今や、主要取引先には大手企業ばかり(・・石川島播磨重工業、東海旅客鉄道、東京電力、トヨタ自動車、松下電器工業、東京工業大学早稲田大学、他多数・・)を抱える、ベンチャー企業へと成長を果たし、
現在社員数75人を抱える企業にまで発展。
今の目標は、4年後100億円の売上目標を照準に、アジア市場での株式上場も視野に入れているそう。
低炭素社会に貢献をキーワードに、電気自動車市場と中国市場という2つの市場を狙う同社の夢は、とても広大なようです。

ありがとうございました。


●取材させて頂いた方
Mywayプラス株式会社 代表取締役社長 楊仲慶 さん
1983年 中国浙江大学電気工学部 卒業後、国費留学生として日本に留学。1990年 東京工業大学電気電子工学科博士取得。大手電機メーカーに3年勤務後、1993年マイウェイ技研(株)設立。 1999年より 西安交通大学 特聘 教授も担当する。
http://www.myway.co.jp/


マイウェイネットワーク代表 宮本 ゆかり さん
夫である楊仲慶さんの起業によりベンチャー企業の経営に携わる。2002年神奈川県公立高校の評議委員に、2003年には横浜市経済活性化懇談会の策定委員に任命される。会社顧問として職務をこなす一方で、ライフワークとして社会人教育に取り組んでいる。著書に『ブッ跳び主婦、会社を興す―中国人の夫と起業の夢を叶える奮戦記』など多数あり
http://mw-net.jp/


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