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【2009年02月26日】
<第10回目>駐在員が危ない:専門医による渡航前コーチングとは





精神的なトラブルは、健康な状態にあるときから専門医と定期的にコミュニケーションを図ることで、未然に防ぐことができる。日常の些細な問題を把握しながら、健康を維持するために必要なことについて個別のアドバイスが得られることの効用は意外に大きいのである。まさに予防システムだが、こうした考え方こそが在中邦人のメンタルヘルスの基本であることは連載中にお伝えしたとおりだ。問題が起きてから対処しても遅いのだから、これは当たり前といえば当たり前の話なのだが、残念ながら多くの企業では、この当たり前のことがきちんと行われていない。

むろんこうした予防システムには、赴任先の地域や本人の職務を深く理解し、かつ内科的知識のある精神科の専門医が必要になる。しかし一人ひとりの人材が企業にとって重要な経営リソースであるなら、予防システムのカギとなる専門医を用意しておくことは最低限の義務だといっても過言ではない。といっても、赴任者や駐在員に対して専門医がどんなケアを行うことができるのかは企業関係者の間でもあまり知られていない。そこで今回からは、専門医のアプローチの一端をご紹介することとしたい。



渡航前コーチング(組織力を高めるトレーニング)


私たち専門医は、赴任者が自分自身の性格傾向、対人関係パターン、知情意と感性のバランスを認識するのをサポートし、次いで、なにがしかの目標を立て、本人がそれに向けた行動を起こすのを手伝う。

そうすることによって本人はモチベーションを保ち、タフな精神を身につけることができるようになる。この渡航前コーチング(個人トレーニング)の目的は、個人の適応性を高め、結果として組織力を高めることにある。トレーニングによって精神的な健康度を高めることは可能なのである。

さらに私たちが行う渡航前コーチングには、世代間コミュニケーションや本社とのコミュニケーションをうまくマネジメントできるようにするための次のようなアプローチも含まれる。



世代間コミュニケーション対策


中国で組織を少人数で運営する場合は、世代間の理解を深めることが特に重要だ。なぜなら、組織内の世代間ギャップが現地への適応に大きな障害となるケースが意外に多いからである。

こうした観点から、私たちのプログラムでは渡航前に社会性や適応性などをテーマにした世代ごとのミーティングを行っている(これは30代の若い世代には非常に好評であり、渡航後の結果もきわめて良好だ)。



対本社コミュニケーション対策


私たちはまた、いわゆる本社とのコミュニケーションギャップ対策として、本社側キーパーソンとの関係性をうまくマネージするためのポイントを理解していただくようにしている。

本社といっても、実はどんな大企業においても、キーパーソンは限られた少数にすぎない。そんなキーパーソンとのコミュニケーションさえマネジメントできれば、本社との間のコミュニケーションギャップは解消されたも同然であること、そしてそのことをきちんと認識しておくことの重要性を理解して貰うためだ。

これは「敵は本国にあり」という悲しい事態に陥らないようにするためにも非常に大切であり、駐在員のメンタルヘルスはもとより、中国事業そのものにも大きく貢献するアプローチなのである。



→第11回のご案内(3/12UP予定)
メンタルタフネスが人生を切り拓く
by 株式会社MD.ネット 佐野 秀典

外部からのストレスは心の持ち方、考え方次第で変わり、ある人には苦痛になりまたある人にはチャレンジとして、またある人にはとるに足らない事として千差万別にとらえられる。

フジテレビのドキュメンタリー番組で大賞をとった番組「とうちゃんはエジソン」の主人公、御年69歳の加藤氏の生き方考え方には大きな感銘を受けた。加藤氏は今から14年前、機械作業において、右手を肩から切断してしまうという大事故を被られた。しかしこの大事故の後、自分の右手に代わる補助器具を全く自力で作り上げ今では日常の生活にはほとんど不便がないまでになっている。それだけでも感動してしまうのに、「人の喜ぶ顔が見たい」一心で四肢がほとんど動かない重度の障害者が切望して止まなかった夢の道具を発明してしまう。それは人の手を借りないで自分のあごを使って操作するワープロと発声器の機能を併せ持ったものである。これは大企業での開発苦心談ではないのである。 
気負いもなく、名誉心もなくカラカラと笑う加藤さんには右手を失った暗さはひとかけらもない。「右手を失った代わりにもっと大切なモノを得る事が出来た」と加藤さんは言う。さらに「幸せや不幸を決めるのは外部の要因、それは地位や名誉やましてお金ではなく自分の心にある」というのだ。



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株式会社 MD.ネット
<精神科医による海外の日本人のためのメンタルサポート>詳細等、ご質問・ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。


16:30:25





  
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【 連載予定のタイトル 】

<初回>09/17UP
対談①《組織の海外進出:過渡期の中国とメンタルヘルス》


<第2回>
対談②《海外赴任者のストレス耐性:陥りやすい傾向》


<第3回>
対談③《海外赴任者のストレス耐性:柔軟性の重要さ》


<第4回>
《ストレスの種類と正体をつかむ》


<第5回>
《ストレスからくる「うつ」の症状と対処法》


<第6回>
《閉じられた世界と「心」の3つの状態》


<第7回>
《ネットで自己カウンセリングができるサイト:メンタフダイアリー》


<第8回>
《駐在員をめぐる「目に見えない」リスクと進出企業本社》


<第9回>
《中国駐在員のストレス:文字通り「冗談ではない」事例》


<第10回>
《専門医による渡航前コーチングとは》


<第11回>
《メンタルタフネスが人生を切り拓く》


NEXT!
<第12回>3/26UP予定
《スピード社会のメンタルタフネス》






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