アマゾン森林火災 寄付金目当ての放火と当局、NGOは否定

南米アマゾン川流域の熱帯雨林で広がった森林火災について、ブラジルの捜査当局は26日、民間団体が寄付金目当てで放火したと主張し、ボランティア消防士を逮捕した。これについて、政治的な思惑による逮捕だという批判が出ている。

今年夏からブラジル領内の熱帯雨林で燃え広がった火災について、北部パラ州アウテル・ド・ションでは民間ボランティアが消火活動に協力した。9月には観光名所でもあるアウテル・ド・ション地域で、サッカー・ピッチ1600個相当の面積が燃え、消防隊とボランティアが鎮圧するまでに4日かかった。

このボランティア消防団とつながりのある非政府組織(NGO)PSAの事務所を武装警官10人が強制捜査し、コンピューターや資料を押収したほか、ボランティア消防団員4人を逮捕した。

PSAは1987年設立の有名NGO。アマゾン流域の集落に医療援助を提供するなど、さまざまな活動で賞も得ている。

PSA創設者のエウジェニオ・スカナヴィノ氏はに対して、「容疑はばかげている。NGOが放火して金を盗んでいるという政府の言い分を、補強するための逮捕に違いない」と述べた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、逮捕について当局の行動には「透明性もなければ、正式な情報提供」もないと懸念を示した。環境保護団体グリーンピースは、「アマゾン保護のために活動する社会運動やNGOを犯罪者扱いする」動きだと批判した。

パラ州の判事は27日、逮捕された4人の保釈を認めなかった。

アマゾン流域の森林火災については、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が火事による森林減少のデータを公表すると、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領はリカルド・ガルヴァンINPE所長を解任。さらに燃え広がる火災が国際問題になると、具体的な根拠を示さないまま、環境団体が火をつけているのではないかと発言した。

放火なのか? ならば誰が

PSA本部を強制捜査し、ボランティア消防団員4人を逮捕した理由について、警察当局はPSAが寄付金目当てに森に火をつけたとして、4人が犯行の裏付けになるかもしれない「情報や火事の写真」を持っていると説明している。

家宅捜索に関わった警官は、逮捕した4人が「火事の様子を撮影し、公表してから、自分たちが起こした火事の鎮圧に、政府に呼ばれて参加した」と声明を発表。「現場に到着して驚いたふりをしていたが、当人たちが火事を起こしたのだという以外、論理的な可能性はあり得ない」と主張した。

しかし、これに対して地元メディアは、警察が証拠として示す通話内容は、逮捕された消防団員たちが森林火災の発生に関与したり犯罪に関わったりしたという根拠にならないと反論している。

逮捕された4人が所属する民間ボランティア消防団は、昨年結成されたもので、PSAと同じように家宅捜索を受けた。団員の逮捕に「ショック」を受けており、「消防団と団員の無実が認められると確認している」と声明を出した。

25日には地元紙フォルハ・デ・サンパウロが、アウテル・ド・ションの自然保護区が不動産開発によって破壊されていると報じた。同紙によると、同地域での火事のひとつは、土地を占有しようとする人間によるものだと検察当局はみているという。

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