エヌビディアの株価は再び上昇するのか?
アメリカのAI半導体大手、エヌビディア(NVDA)は、2024年6月18日に一時的にマイクロソフト(MSFT)を抜き、時価総額で世界一位に立ちました。しかし、現在の時価総額ランキングでは、アップル(AAPL)とマイクロソフトに次いで3位となり、その時価総額は2兆9700億ドル以上で、日本のトヨタ自動車の10倍以上です。
昨年末の株価を100とした相対株価は245.2であり、S&P500種指数(120.8)やフィラデルフィア半導体指数(123.9)を大きく上回っています。この驚異的な成長を見せたエヌビディアは、今後もAI関連銘柄の主役となり、市場のリーダーシップを取り戻せるのでしょうか?この記事では、月足チャートや移動平均線(MA)などを用いて、エヌビディアの長期的な株価トレンドを探っていきます。
過去の株価を見るために有効な対数チャート
9月末時点でエヌビディアの株価は121.44ドルとなっており、昨年末から2.4倍の水準にありますが、6月の最高値からは約13.7%下落しています。この状況に対して、一部では「半導体バブルが終わったのでは?」という声も上がっています。
株価が急上昇すると、通常のチャートでは過去の値動きがわかりづらくなることがあります。特に、エヌビディアのような2022年10月以降急速に株価が上昇した銘柄では、チャート上のスケールが狭まり、過去の株価や移動平均線の動きを確認するのが困難になります。このような場合、対数チャートが有効です。対数チャートは、株価の変化率に応じてスケールが等間隔になるため、長期的な値動きが視覚的に捉えやすくなります。
エヌビディアの歴史的な値動き
エヌビディアは1999年に上場し、約25年が経過しています。同社の株価は荒い値動きを見せることがあり、特に2003年5月には83.4%の上昇率を記録した一方で、2001年2月には48%強の下落を経験しました。2013年以降の月足チャートを対数で表示すると、株価が急速に成長しつつも、時には下落も伴っていることがわかります。141カ月の期間中、上昇は91回、下落は49回、横ばいは1回でした。
移動平均線(MA)の特性と役割
株価トレンドを把握するために有効な指標の一つに移動平均線(MA)があります。MAは、株価が長期的なトレンドに沿っているかを視覚的に確認できる指標です。長期間のMAは、より大きなトレンドを把握するのに適している一方で、株価の変動に対する反応が遅くなる傾向があります。反対に、短期間のMAは反応が速いものの、ダマシも多くなります。
そのため、複数のMAを組み合わせて利用することが一般的です。複数のMAを使うことで、株価がどの位置にあるかをより詳細に分析することができ、より正確なトレンドの判断が可能となります