半導体関連株が続伸、エヌビディアの米株高の波が日本市場に波及
日本市場では、半導体関連企業の株価が急上昇しており、特にHOYAをはじめとする大手企業が注目されています。東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、レーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)といった製造および検査装置メーカーも強い買いが入っており、投資家の関心が高まっています。中でも、HOYA(7741)は、マスクブランクスや半導体素子製造用フォトマスクの分野で高いシェアを持ち、日本市場で重要な位置を占めています。5日連続で株価が上昇し、7月11日以来の上場来高値を更新。午前9時53分時点で、前日より200円(1.0%)高い2万1070円で取引されています。
この上昇の背景には、米国市場での半導体関連株の好調な動きが影響していると考えられます。8日にニューヨーク市場で主要な半導体関連株が上昇し、その流れが日本市場に波及しました。特にエヌビディアは、台湾の大手電機メーカーである鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富士康科技集団(フォックスコン)が、エヌビディアの次世代半導体「ブラックウェル」を搭載した人工知能(AI)向けサーバーを生産するために、メキシコに大規模な工場を建設する計画を発表。この発表により、エヌビディア株には一段と買いが集まり、AI技術に対する期待がさらに高まりました。
また、ワシントンで開催されたイベントでエヌビディアは「ブラックウェル」のエネルギー効率が高いことを強調し、AI業界での競争優位性をアピールしました。これにより、エネルギー効率が改善された新世代の半導体製品への関心が高まっており、エヌビディア製品の成長が期待されています。エネルギー効率の向上は、データセンターやAI向けのサーバーにとって重要な要素であり、今後の市場での競争力をさらに引き上げると見られています。
さらに、トロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授が「AIの父」としてノーベル物理学賞を受賞したことも半導体市場にとって追い風となりました。ヒントン教授の受賞はAI技術への関心を一層高めるものであり、AI関連の技術革新が加速すると期待されています。この影響を受けて、エヌビディアの株価は前日比5.17ドル(4.05%)上昇し、132.89ドルとなり、5日連続で値を上げました。一時的には133.48ドルまで買い進まれる場面も見られ、市場のAIへの期待感が強まっていることがうかがえます。
エヌビディアの上昇に引っ張られる形で、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も1.3%上昇し、5266ポイントを記録しました。SOX指数は、半導体関連企業の株価の動向を反映する指標であり、この上昇により半導体市場全体が注目を集めています。これにより、日本市場の半導体関連株にも米国市場の好調さが波及し、国内外の投資家からの注目が一層高まっています。
一方で、エネルギー効率の向上やAI技術への需要増加が、半導体業界全体の成長に貢献していると考えられます。今後も、AIや5G、IoTなどの先端技術の普及に伴い、半導体の需要は引き続き堅調に推移すると見込まれており、HOYAや東京エレクトロンといった日本の主要半導体企業にも、成長の期待が寄せられています